石転ビ沢〜梅花皮避難小屋


デザインが変わった 湯沢のゲート  時が過ぎるのは余りに早い 
   
通称 「婆マクレ」を通過  一端、河原に降りて河岸段丘に上がり、僅か先で雪渓に乗る 
   
 滝沢の出合 梶川の出合  この下が割れるかどうかで、大違い 
   
 石転び沢 門内沢 スキーヤーが登行していくようだ
    
 石転ビの出合の大岩でガイドの佐藤さん ホン石転ビ沢
   
もう直ぐ、北股沢の出合 スキーヤーが3名、早いペースで登ってくる 
   
 丁度、降りてきたAI沢さん(下越山岳会) もう直ぐ小屋が見える…最後の頑張りどころ 
   
 もう少しだ 冷えたビールと大日岳が出迎えてくれた。ウレシイ〜 
   
 端正な北股岳 石転ビ沢の下り フラットでスキーには良さげ〜 
   
 出合いから見た門内小屋 温身平のインフォメーションボード 
   


日 時   平成22年5月22日(土)〜23日(日)  
参加者  高橋(OPL)さん、諏訪さん、宮下さん、LTQ(私) 4名とも下越山岳会
行き先  飯豊連峰 石転ビ沢 梅花皮避難小屋
天 候   5月22日 曇り後晴れ
      5月23日 曇り

装 備   春山小屋どまり
登はん用具:ピッケル・アイゼン
雪山装備:Wストック
ナビ用品:GPS、Mポインター、地図、シルバコンパス
防寒具:合羽で代用・、ダウンジャケット(薄物)
飲み物:ポカリスエット500ml
食料品 握り飯5個 
その他 非常食1,000Kcal分
残 量  非常食
嗜好品 アルコール類・ツマミ類

コースタイム              事柄              備考
522
06時30分       集合場所
07時40分       天狗平P着 ブヨが煩い
08時00分       天狗平P発(420m)
08時20分       温身平(450m)
08時27分       上の堰堤(490m)
08時38分       8年前の事故現場対岸、手を合わせる。
09時20分       うまい水(600m)   うまい水の少し下の枝沢の小雪渓を崩壊させ落ちた。(薄い事が判っていてストックで突いた)
09時50分       地竹原で雪渓に乗る(645m)
09時56分       滝沢の出合(665m)
10時11分       梶川の出合い(690m) 食事  ガイドの佐藤さん。下見とのこと。
10時40分       石転ビの出合着  食事(870m)
12時00分       ホン石転ビの出合(1,250m)
13時12分       北股沢の出合の上で食事 (1,500m)    スキーのAI沢さんとスライド・AXL・Konchang・マスダさんが抜いていて先行していく
14時20分       梅花皮小屋着(1,850m)

523
05時47分       梅花皮小屋発(1,850m)
07時00分       石転ビの出合(870m) 休憩
07時58分       地竹原(645m)雪渓から離れる。  AXLがSKIで追いついてきた。小屋から18分とのこと。早っ 五郎さん達ご一行とスライド
08時37分       うまい水(600m)   
09時12分       上の堰堤(490m) 休憩
09時30分       温身平(450m)  遊歩道(けもの歩道・旧道を通ってみた)
10時05分       天狗平駐車場着(420m)
10時20分       天狗平駐車場発 梅花皮荘で入浴
12時50分       自宅着


GPSデータ
TP積算距離    17.0km
TP移動時間    05H04M
移動平均速度   3.4km
全体平均速度   1.9km
累積標高(+)    1,331m
最高到達点     1,854m
以上GPSデータ

概略
最近、泊まりの山行もしていない。(泊まっても谷川のベースプラザか…)そして、軽装でサッサと歩く山行が多くやはり、時々は無駄に大荷物のヤマ登り
も悪くない。それで、5月22日(土)に大渕のゲートが解放されて天狗平まで車が入ると聞いたので、当初単独で計画していた。
しかしながら、ゲート解放直後でもあり小屋が混雑する事が予想されたので、混んだ小屋で単独と云うのも少々難があるのでどうしようかな?
いっそ独りの小屋で一人で泊まりならそれはそれで良いのだケド・・・・
と思案したり何人かに連絡したけれど、どうも相棒が見つからない・・・・そんなこんなでどうしようかなぁ
と、思いつつ会の集会の後、呑みに行くと、それなら・・・という事で話がでて、翌日に4名で出かけることになった。
当会顧問のOPLさん、現在75歳で今年中に76歳となる。元々心身ともに丈夫なのだろうけれど、ご本人も摂生しトレーニングも継続し週に2回〜3回
10キロ程度走っているようだ。ボクの生活態度のそれとは全く違う。それでも流石に衰えを感じる様になり去年あたりから走るようにしている。
そもそも、ボクは75歳まで生きているかどうか?かなり疑問に思っている。

と、云うワケで、御老公、疾風のお娟さん?×2、うっかり八兵衛の4人道中で、助さん・格さん・風車の弥七は抜きという心許ない山行の始まり〜



記録
比較的楽に石転び雪渓を登る時期としては、大渕のゲートが開いて天狗平まで車が入る様になったら早目の方が良いと思う。
理由は次の様に考えている。
@ 先ず自動車で天狗平まで入ること。
A 雪渓に早く乗れること。
B 雪渓本体がまだ比較的安定しており(枝沢・大岩周辺は別として…)雪渓本体の崩壊についてあまりナーバスに考えなくても通過できる。
C 梶川ノ出合がまだ割れていない時期であれば難所が一つ減ること。
D 雪質がまだ柔らかく氷化していないので登下降について、滑落についても梅雨時以降よりは心配が少ないし、クレバスも少ない。
逆に注意点としては
@ 雪渓に乗るまでのアプローチでの枝沢の小崩落
A 石転ビの出合から上部のブロックの雪崩を伴う落石。ルンゼの雪がつながっている時期は注意した方がよい。

   ことに雨天でガスがあり視界不良の時はヨクヨク考えた方がいいと思う。
   今回もホン石転ビ沢対岸の休憩ポイントから少し上のルンゼからのブロック・落石がやや賑やかだった。

まあ、全体的には遅い時期よりはずっと心配事は少ない様に考えている。
天狗平の駐車場に着くと、かなりの駐車車両がある。お〜皆待っていたんだねぇ〜今日は沢山登っているんだろうなぁ〜
おっ、親方の車じゃんか(AI沢さんの車)昨日の電話で単独で門内沢を目指すと話していたからなぁ〜
車を降りて準備をすると、きたきた〜ブユがわんさかと・・・
すかさず、諏訪さんはネットを被り、ボクは虫除けスプレーを使う。今回は装備品、食料品全て各自としていたので、共同装備の分配品もなく出発。

湯沢のゲートは擬木風に変わっていた。気遣いを感じる。
心配したブユも駐車場だけで気にならなくなっていた。新緑に清々しさを感じながら温身平。十字路を右に進路を取り梅花皮沢沿いに進む。
上の堰堤の下で休憩して堰堤の階段を上る。8年前の事故現場を眺めて時の早さを感じて手を合わせる。登山道脇にズックがあった。父のものだろうか?

先ずは、「うまい水」を目指す。順調に歩を進めて「うまい水」のあるブナが見えて枝沢をこれから数本通過することになる。
1本通過し2本目・・・ん〜薄そうだなぁ…そう思いつつ1歩雪渓に上がる。崩壊している下部を眺めると、まあ、崩落しても、ケガをするような場所ではないが
嫌だなぁ〜と思い、ストックで雪面突く。多分、小さな穴が開くのではないか?そんな気がしていたのだが・・・
ボクの足元の雪ごと崩壊してしまった。
小突いた本人は雪渓が薄いと思いつつ小突いたので驚かなかったが、後ろのメンバーには驚かせて悪い事をした。
ケガもなく、しぶしぶ上部へ巻いて通過して下って「うまい水」

婆マクレを通過して一端河原に降りてから河岸段丘に上がって地竹原から雪渓に乗る。
ようやく、藪から解放されて快適な雪渓の登行となる。
滝沢の出合を通過し梶川の出合で一息付ける。ここから石転ビの出合までヒト歩きだ。
梶川の出合下が少し凹んでいるようだが、今日はまだ心配する程ではないが、来週の雨でどうなるかは不明。
梶川の出合上の大岩の近くは水音が大きく聞こえ気持ちが悪い。顕著な凹みがあるワケではないが
不用意に下流側から大岩に近づくべきではないだろう。

梶川ので出合を過ぎると、単独の方が近づいてきた。
ガイドの佐藤さんだった。何だか毎週遇いますねぇ〜。何でもガイドの仕事の下見とか。
そんで、出合まで様子を眺めて下山して明日は黒部のロードとかで・・・
元気だなぁ〜

石転ビの出合を出発。ザッと見たところあまり、石転ビの登山者は少ない。
あんな駐車場に車あったのになぁ〜
さて、ここから概ね1,000mの登行。散乱しているブロックを眺めると、ホン石転ビ沢の対岸の休憩ポイントより上部のルンゼから出ている様だ。
ここからは、北股沢の出合まで頑張りすぎないこと。ノンビリと歩きたい。と、ノンビリ歩いていると、予想したとおり怪しいルンゼからバラバラと
ブロックと石が雪渓に転がり出てくるのが見えるが、幸い近くには誰もいない。
どこまで転がるのかな〜と観ているとボクの近くでその動きを漸く停めた。
ザット見て距離1.3キロ前後で高低差で500m位かなぁ

ホン石転ビ沢出合の少し上で怪しいルンゼからのブロック・落石を警戒しながら一休み。ボクもここからクランポンとアックスに変える。

ノンビリと北股沢の出合を目指す。後続は3名とスキーヤーが3名。

北股沢の出合の台地で休憩して食事を摂る。さて、ここから標高差400m弱の急斜面だ。ここからが頑張りどころ。
ユックリと登り始める。泊まり荷物の重さを本当に感じるのはここから。
後続の3名は北股沢の出合で大休止して下山のようだ。上からスキーヤーが降りてくる。
ん〜?何だか親方(AI沢さん)の様な・・・・話すと門内沢を止めて、石転ビにしたとのこと。それじゃ〜と軽快に滑りあっと云う間に視界から消えた。

3名のスキーヤーがワシワシ登ってくる。近づいてきたら、AXL、Konchangともう一名の男性。強い彼らズンズン進むが、我々はここまで来れば
ノンビリ行こうとボツボツつ進む。

梅花皮避難小屋の屋根が見えてからが案外長い(精神的に・・・)
小屋前に着くとAXLが大好きな飲み物を冷やしておいてくれた。
さっきまで、キツイとか云っていた人も来てよかったねぇ〜というのだからヤマ登りは不思議だ。

スキーのAXL以外のKonchang、マスダさんは日帰りとのことで下山する。AXLと見ていたら、小屋前から石転ビの出合いまで13分。
スキーの機動力は素晴らしいものがある。

ところで、寂しい事に、梅花皮避難小屋には、我々4名パーティー+管理人のAXLのみ・・・・
石転ビ沢を眺めても誰も上がって来ない・・・・誰か息も絶え絶えに急登を登って来て欲しいのに・・・

結局誰も来ることなく、我々とAXLで時間を過ごした。

OPLさんと雨降りに藪は嫌なので、明朝の様子を見て往路下山が良いかな?と話す。



妙に暖かく、不思議な位、風の無い夜だった。
4時少し前からOPLさんが動き始めていた。ボクは予定通りに4時30分に起床。
朝日は、気持ち悪い赤さだ。
でも、風もないし・・・・少し予定どうり門沢沢下降も考えるが、西の空は黒っぽく、いかにも湿気を感じる・・・・
どうしましょ?

濡れ藪は嫌だから往路下山で・・・・と安易に妥協する。
下りにかかると女性陣少し慎重に行動。この慎重に行動するというのは
大腿部に力が入り常に膝を深く曲げているので非常に疲れるハズだ。
初期制動に自信があれば、さほど気にする場面でもないのだが慣れという部分も大きいのだろう。

どんどん下り、石転ビの出合着
ここでユックリ休憩。OPLさんのパインの缶詰と宮下さんの笹団子を頂いて帰宅時間を考える・・・・
早い帰宅は後片付けが楽でいいですね。

どんどん下り、地竹原に近づくとAXLがスキーで追いついてきた。
小屋から15分?と冗談で聞くと、いや〜雪訓場所を見ながら来たので18分・・・・なんてこったい。

地竹原に上がると、五郎さん達ご一行がファンスキーを背負って登ってきた。
天気を気にしながらの登行の様だ。

うまい水で一本立てる。ブユが煩い。

往路落とした枝沢の雪渓はかなり落ちていたが、全壊でもなく大高巻も面倒だし????
空身で芝に掴り下から厚さの様子を見て良い場所を選んで小沢に降りて登り返してクリア。

途中、どう見てもヤマ屋ではなさそうなハイカーの中高年の方々とスライドしたが、枝沢を踏み抜かなきゃいいが・・・
そう思いながら余計な心配をする。

温身平に着くとOPLさんが旧道を通って戻らないか?と云う。
「けもの歩道」となっていた。通常使う道より玉川沿いでブナ林の中を巡るとても気持ちの良い散策道だった。
下山時間が早く時間の余裕があるので、こんなこともしてみたがかなり良いものである。

歩道はいつもの道に合流して湯沢のゲートを通過して駐車場。
ブユの歓待を受けて車に荷物を積み込み梅花皮荘へ。梅花皮荘で汗を流して帰途についた。

※ せっかくヤマに来たのだから、泊まりの山行はいいですね。
それなのに、我々1パーティーの泊まりというのはいささか寂しい。
確かに石転ビは日帰りは十分に可能ですが、重い荷物を背負ってノンビリと登り稜線で時間を過ごすというのは
贅沢な時間で、ライト&ファーストもいいけどスローな時間も楽しいですね。

AXL、お世話になりました。



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